2010年1月7日木曜日

キャノンマーケティングジャパンの採用お知らせに思うこと



昨日ネットで話題になっていた、「採用スケジュールに関する重要なお知らせ」。

これを見て、思うことがあったので、まとめてみました。

どんなお知らせなのか?


日本の企業は毎年「新卒採用」で多大なコスト(人・金・時間)を費やして採用活動をしています。

来年の4月に採用をする新卒を昨年10月ぐらいから説明会等をはじめて、今年の6月ぐらいに内定を出す。
という長丁場で採用活動をやっています。足掛け1年強もあるスケジュールを毎年やっているのです。

で、今回のキャノンマーケティングの採用スケジュールのお知らせはどういうモノなのか。
・世界の不況で、人員計画がなかなか決めれません。
・今年の採用活動は、1月〜3月の会社の実績をみて決めます。
・実績次第で採用活動を行わないかもしれません。
・採用活動をするとしたら、4月にお知らせします。採用は夏休み中にします。

という内容で、
「いまちょっと新卒採用できるかどうかわからないから、人員計画が決まってからお知らせしますね。それまで待ってて」
というものです。

会社の側から見ると


会社というのは生物のようなモノで、調子のいい時(好景気)、悪いとき(不況)もあります。
その中で当然人員計画もその中で増減するものです。
調子がいい時は採用活動を積極的に、悪いときはリストラで過剰な人を減らす。
その中で、当然新卒の採用についても当然計画の中に入っています。

キャノンマーケティングがこのようなお知らせをするということは、苦肉の策だったのかもしれません。
たぶん社内では、こんな話があったのかと想像できます。
※あくまでも私の推測なので、確かな情報ではありません。

・世界不況で売上足らない。人員ももしかしたら減らさなきゃいけないかも。
・新卒採用はどうするよ?もうスケジュール出さないと、他の会社にとられますよ。
・新卒は採用し続けないと、社会的に「あの会社、新卒を採用できないぐらいヤバイのか?」っていう噂がたつよね
・じゃ、いったん業績見てから採用告知をだすって形にして、ちょっとまってもらおうか。どうなるかわからんしね…


たぶん、こんな話が社内であって、あのような告知が出されたのかもしれません。
世界的な不況で新卒採用を減らす企業がある中、こういう告知を出す姿勢は評価できると思いました。

学生の側から見ると


学生のほうも同様で、多大な時間・金を使って、採用してもらうおうとがんばっています。
今年の採用はほんとうに厳しいと聞いていますので、採用されるのは大変かと思います。

そんな中でのキャノンマーケティングのこのお知らせ。
よかった!と期待を寄せる人もいれば、7月まで待ってられません!厳しい状況なので、一番に採用してくれた
ところに行きます。という人もいるかもしれません。

ですが、学生の中では、きっと「会社を選ぶ選択肢が一つ増えた」程度ではないかなと思います。

どう思ったか


世の中の状況で会社の調子がよくなくて、採用したいんだけど、まだわかんない…という中で、
現状の説明・今後の見通しをきちんと説明出来ている姿勢は評価ができると思います。

ただ、学生側にとっては、4月の時点で「やっぱりダメでした」という状況も考えるでしょうから、
採用活動としては通常通りに行うかと思います。
で、厳しいながらも採用が決まったら、採用してくれた会社にいくでしょう。

当然優秀な方は自分のキャリアを考えているでしょうから、優秀な人はどんどん他の会社にとられていきます。
採用スケジュールを遅らせることによって、他の会社にとられてしまいます。
そうなってしまうと、「優秀な将来の幹部候補を採用する」という新卒の意義も薄れてくるのではないでしょうか。

現時点で「採用するかどうかわからない」というお知らせをだして、学生に期待をもたせるよりも、
いっそのこと「今年の新卒の採用はしません」とすっぱり言った方が、学生・会社ともハッピーになったかもしれないと思いました。

ただ、お知らせの中にもあるような、「採用スケジュールは横並びでよいのか?」に一石を投じるという意味ではなかなかチャレンジングな行動ではないかと思いました。

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